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更新日:2019年02月18日

CO2インキュベータ

読み方:しーおーつーいんきゅべーた 英語表記:CO2 Incubator

CO2インキュベータとは
温度・湿度・CO2濃度を一定で安定した環境にすることで、細胞をより生理的条件に近い状態で培養するための装置です。加温方式が大きく分けて2種類あり、内槽の周りに水の槽を持ち、温度安定性と温度分布に優れたウォータージャケット方式と、内槽の周りに空気層を持ち、温度の立ち上がり時間に優れ乾熱滅菌運転が可能なエアジャケット方式があります。

CO2インキュベータの原理
加温の原理としては、内槽の壁面を加温して槽内の温度をコントロールします。槽内には空気・CO2ガスを攪拌するためのファンが取り付けられており、CO2ガスは槽内のCO2センサにてコントロールします。槽内の底面には加湿用のバットを置き、バット内の水が自然蒸発することで槽内湿度を90%以上にキープすることができます。

CO2インキュベータの使用目的とは
主に細胞や微生物の培養・生育に用いられます。CO2インキュベータの役割は以下の通りです。
①温度を一定に制御する
 細胞や微生物を安定して生育するためには温度を一定に管理することが必要となります。一般的には哺乳類の体温(37℃前後)で使用されることが最も多いです。
②湿度を保持する
 培地が乾燥してしまうと細胞にダメージを与えてしまうため、培地が乾かないように高い湿度を保つ必要があります。加湿バットによる自然蒸発によって体内環境に近い湿度95%前後とすることが一般的です。
③CO2濃度制御
 槽内にCO2を入れることで、細胞の代謝による培地の酸化を防ぎ、培地のpHを最適な状態に保つことができます。一般的には、体内環境(体内のCO2分圧)に近い5%程度とすることが多いです。

カテゴリ: 科学・産業機器

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