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製品情報

製品詳細

フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)

Nicolet Summit X

商品コード:301178

型式:Nicolet Summit X

フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)(Nicolet Summit X)

Nicolet Summit X FT-IR Spectrometer

  • フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)(Nicolet Summit X)

製品概要

ヤマト科学によるデモ対応可能!
有機化合物の定性可能

フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)(Nicolet Summit X)の特徴

動画(YouTube)

*動画はNicolet Summit(タッチパネル付き)のものです

製品概要

フーリエ変換赤外分光装置 FT-IR「Nicolet Summit X」はポリマー、ゴムの主成分、添加材、コーティング剤などの有機化合物の定性・定量で使用することができます。研究・開発から品質管理、異物分析など様々な用途で使用されます。また、ATRアクセサリを使うことにより、数100µm程度の小さな対象物の測定も可能です。

~FT-IRの主な使用用途~
・有機化合物の定性:ライブラリサーチスペクトル解析
・新素材の開発・研究:構造変化、劣化評価、定量
・品質管理・品質保証:主成分の確認、不純物の確認
・異物分析・不良解析:ライブラリサーチによる成分特定、混合物の探索

FT-IRの原理などについては、問題解決!ヤマト科学Q&A 「FT-IRとは?」をご覧ください。

10年保証の高い信頼性

新設計の光学系、Thermo Scientific LightDrive オプティカルエンジンを搭載し、主要構成コンポーネント(干渉計ダイオードレーザー、赤外光源)には10年間の保証が適用されます。長期間保証のためメンテナンスやランニングコストが不要です。
LightDrive光源は従来品よりも安定しており、常に信頼の高いデータが得られます。また、LightDrive光源は赤外線密度が高い為、迷光が少なく、ピーク再現性、直線性、安定性が良く長寿命(10年保証)を提供します。


様々な形状のサンプルを測定可能

ダイヤモンドATR 「Everest(エベレスト)」を使用することで誰でも簡単に測定できます。フィルム、粉末、液体などどのような形状でもATRで測定ができます。
・測定対象例   : 粉末、固体、液体、フィルム、繊維、金属上膜、表面層など
・サンプルの大きさ: 数10cm以下
・測定領域    : 数100µm~1mm

ノートPCより測定から解析まで対応

Nicolet Summit XはノートPC上のソフトウェア「OMNIC Paradigm」によって測定から解析まで全て対応可能です。普段使いのアプリケーションをインストールした環境で通常のノートPCとしてOMNICを使用可能です。

効率的な測定と解析を実現

Nicolet Summit Xの標準搭載されている新規ソフトウェア「OMNIC Paradigm(オムニックパラダイム)」は、測定設定、測定、アドバンスドATR補正ライブラリサーチ、レポート作成まで全て可能で、効率的な作業を実現します。また標準で5000ライブラリや多成分検索・不純物検索が搭載されており、より精度の高い定性が可能です。日常のルーチン作業はワークフロー設定することで作業よく測定からレポート作成を行うことが可能です。

より精密な分析を実現する豊富なアクセサリ

Nicolet Summit Xは目的に応じて様々なアクセサリを搭載することが出来ます。高感度が期待できる透過測定用の透過ホルダ、視野探ししながら測定できる観察型一回反射ATR、硬化樹脂などを加熱しながらATR測定できる加熱ATR、顕微で測定可能な顕微ユニットなど、多彩なアクセサリを選択可能です。

定性精度を向上させるアドバンスドATR補正

ATR測定で得られたスペクトルは、透過測定で得られたスペクトルと比較して多少歪むことが知られており、透過スペクトルのデータベースをサーチする前には補正が必要です。一般的なATR補正は充分な補正が出来ずサーチのヒット率が低い恐れがありますが、Nicolet Summit Xに標準搭載のアドバンスドATR補正は、補正が充分に行われ、サーチのヒット率が向上します。これにより定性の精度が飛躍的に向上します。

多成分サーチで複数サンプルの定性も容易に

ソフトウェア「OMNIC Paradigm」に標準搭載されている「多成分サーチ」を用いれば、複数サンプル(最大4つまで)の組み合わせを検索することが可能です。これにより煩雑な解析を容易にすることが出来ます。
 A:スペクトルウィンドウ(検索対象のスペクトルと検索結果の合成スペクトルを表示)
  B:検索結果ウィンドウ(検索結果の各成分のスペクトルを表示、 Cで他の組み合わせの選択が可能)
C:検索結果テーブル(検索結果のヒット率上位5件のスペクトル情報・混合比率等を表示)

検索結果として得られた3成分を「成分%」に記された割合で足し合わせた合成スペクトルとサンプルスペクトルが良好な一致を示し、異物がポリ塩化ビニル、フタル酸エステル、炭酸カルシウムで構成された物質であることが分かります。

FT-IRとは?

FT-IRについて


FT-IRとは、フーリエ変換赤外分光光度計(Fourier Transform Infrared Spectroscopy)の略で、サンプルに赤外光を照射して得られる測定結果より、未知のサンプルがどの程度入っているのか(定量)、どのような組成なのか(定性)、評価することが出来ます。さらに、目的に応じたアクセサリを使用することで、固体(フィルム、粉体、など)、液体、気体など様々な形状のサンプルを測定することが可能です。FT-IRは、10µm程度の小さな異物解析、研究開発での構造解析、確認試験、品質管理など、非常に幅広い分野で用いられています。





干渉計


次にFT-IRについて説明します。FT-IRの中には干渉計と呼ばれる装置が組み込まれています。赤外光源から干渉計の中に発せられた赤外光はビームスプリッタにより固定された鏡と移動する鏡側の2つに分離されます。固定鏡は移動せず、移動鏡のみが移動しており、両方の鏡でそれぞれ反射した光が戻ってきて合成されます。この合成された光は、移動鏡の移動距離に応じて光の位相差が生じた干渉波(インターフェログラム)であり、この干渉波をサンプルに照射させて検出器で検知します。





FT-IRの内部構造


ここでFT-IRの構造を見てみましょう。FT-IRは主に赤外光源、干渉計、レーザ、検出器で構成されています。装置内部で採用されている窓材が高湿度では曇ってしまう可能性がありますので、密閉構造である必要があります。非常にコンパクトな構造になっていますので、小さいものでは10kg程度しかありません。





FT-IRによる測定結果


FT-IRの測定でどのような結果が得られるのでしょうか?一般的には、インターフェログラムをフーリエ変換することで、横軸が波数4000~400cm-1、縦軸は吸光度の連続データが得られます。これをIRスペクトルと呼びます。例えば、メチル基「-CH3」、カルボニル基「C=O」などの官能基は、それぞれ特定の波数の光だけを吸収するので、吸光度のピークが得られます。したがって、IRスペクトル上で、どの波数にピークが出るのかを確認することで、構造式を推測することが出来ます。

例えば、下図は電子基板に付着したオイル状の異物のIRスペクトル(赤色)です。IRスペクトルから、このオイル状の異物は、「-CH3」、「-CH2-」、「C=O」など、様々な官能基を持つことが分かります。しかし、これだけでは、ではこのデータから、どのような方法で定性するのでしょうか?それにはライブラリサーチが有効です。





FT-IRで出来ること


FT-IRではライブラリと呼ばれるデータベースから、類似したIRスペクトルを探し出すことが出来ます。このような操作をライブラリサーチと呼びます。このライブラリサーチの結果、紫色のフタル酸エステルのIRスペクトルとのヒット率が97.3と、非常に高い結果が得られました。したがって、このオイル状の異物はフタル酸エステルであると推定が出来ます。ライブラリにはポリマー、食品添加物、有機溶剤、など様々な種類がありますので、目的に応じて使い分ける必要があります。



FT-IRで定性出来るものを下記にまとめました。



1)有機化合物:樹脂、ゴム、紙、プラスチック、繊維、布、接着剤、など。
2)一部の無機化合物:硫黄化合物、リン化合物、シリコン化合物、炭酸塩、など。
* FT-IRでは金属元素を測定することが出来ません。



測定方法


FT-IRにはサンプルと目的に応じて、様々な測定法がありアクセサリを選ぶことで測定することが可能です。ここで様々な測定方法を紹介します。



透過法:最も基本的な測定方法で、入射光I0と透過光Iの強度の比率から吸光スペクトルを求めることができます。フィルムはセルに挟みこんで測定できます。液体の場合に同様にセルに挟んで測定します。粉末の場合には、赤外に不活性な臭化カリウム(KBr)をメノウ乳鉢で十分にすりつぶして、錠剤成形機で錠剤を作製ます。その後、錠剤を専用のセルに挟み込んで測定します。これをKBr錠剤法と言います。また、ガスセルを用いればガスの定性・定量が可能です。





ATR法ATR(Attenuated Total Reflection)とはFT-IRで用いられる測定手法の1つで、全反射法とも呼ばれます。ATR法ではダイヤモンドやゲルマニウムのような測定対象サンプルよりも高い屈折率を有するクリスタルとサンプルを密着させて赤外光を入射します。その際、エバネッセント波という微量の赤外光が測定対象に滲み込んで反射する全反射光を測定することで、試料表層部の吸収スペクトルを得ることが出来ます。滲み込み深さは数um程ですが、この滲み込み深さには波数依存性があり、入射角、クリスタルの屈折率、試料の屈折率によって変化します。フィルム、液体、粉末などの試料を前処理なく測定可能なため、汎用的測定手法として用いられています。





ATRアクセサリを用いることで、粉末、液体、フィルム、など様々な形状のサンプルが測定できます。クリスタルプレート上にクリスタルが埋め込まれており、このクリスタルに測定するサンプルを密着させると、クリスタル表面からサンプル側にわずかに滲みこんで反射することで、サンプル表面の定性が可能です。測定するサンプルの種類によって、クリスタルをダイヤモンド、ゲルマニウムなどを選択する必要があります。





またATRには、加熱型、観察型(1回反射/多重反射)、フローセルなどがあります。





赤外顕微鏡


対象が目に見えないほどの大きさの場合には、FT-IRに赤外顕微鏡を取り付けて測定することが望ましいです(顕微IR)。画面で測定視野を探して測定することが可能です。さらに測定エリア選択してオートステージを用いることでマッピングやイメージング測定を高速で行うことも可能です。FT-IRが赤外顕微鏡と一体型のものもあります。





アプリケーション事例集


≫ フーリエ変換赤外分光装置(FT-IR)アプリケーション事例集

主な仕様

仕様


商品コード 301178
型式 Nicolet Summit X
波数範囲 8000~350 cm-1
波数分解能 0.6 cm-1
赤外光源 LightDrive光源
検出器 DTGS
ライブラリスペクトル数 5,000
ソフトウェア OMNIC Paradigmソフトウェア
S/N 35,000 : 1
外寸法(幅×奥行×高さ) 340×240×320mm
電源容量 AC100V 3A
300VA
重さ 10.9kg

備考
* 価格にはダイヤモンドATR(Everest)が含まれています。


FAQ

Q デモは可能ですか?
A

可能です。お客様先へデモ機をお持ち込みさせて頂く「持ち込みデモ」、お客様に弊社ラボへお越し頂く「ご来社デモ」、サンプルをお預かりし測定させて頂く「サンプルお預かりデモ」等、お客様のご要望に合わせて対応させて頂きます。

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Q ライブラリは付属しますか?
A

標準で5,000ライブラリが付属します。その他ライブラリをご希望の場合はオプションで追加可能です。

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Q 主要部品の保証期間について教えてください。
A

干渉計、赤外光源、ダイオードレーザーは10年間保証です。

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Q 「Nicolet iS5」との違いを教えてください。
A

・光学系に LightDrive オプティカル・エンジンを採用し、波数分解能が0.6cm-1に向上しました。(iS5は0.8cm-1
・赤外光源の保証期間が10年間になりました。(iS5は2年間)
・Windows10が内蔵され、外付けPC無しでもご使用可能になりました。(iS5は外付けPC必須)

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