2024年4月、埼玉県さいたま市浦和美園に新たな研究開発拠点としてヤマト科学技術開発研究所(Yamato Innovation Hub:以下YIH)を新設しました。
延べ床面積約1,000m2で2階建、1階は弊社ブランド科学機器の開発拠点となる技術開発研究所、2階はライフサイエンス事業の中核を担うライフサイエンス研究センターを設置。都心からアクセス良好な場所に、研究者やお取引先企業の皆様との連携を推進する新たな場所であり、今後ヤマト科学のブランド機器の付加価値創造の拠点・ライフサイエンス商品のアプリケーション発信地となります。
今回はYIH新築プロジェクトの全貌をお伝えします。
【2024年10月】
2024年4月、埼玉県さいたま市浦和美園に新たな研究開発拠点としてヤマト科学技術開発研究所(Yamato Innovation Hub:以下YIH)を新設しました。
延べ床面積約1,000m2で2階建、1階は弊社ブランド科学機器の開発拠点となる技術開発研究所、2階はライフサイエンス事業の中核を担うライフサイエンス研究センターを設置。都心からアクセス良好な場所に、研究者やお取引先企業の皆様との連携を推進する新たな場所であり、今後ヤマト科学のブランド機器の付加価値創造の拠点・ライフサイエンス商品のアプリケーション発信地となります。
今回はYIH新築プロジェクトの全貌をお伝えします。
【2024年10月】
今回、設計監理を担当した弊社ラボ・デザインシステムズ(以下、LDS)は、プロジェクト全体の策定から建屋完成の最終工程のチェックまでワンストップでこのプロジェクトを纏めました。
1階には旧開発拠点(埼玉R&Dセンター)を拡張移転させることが決まっておりましたので、まずはラボの必要面積と環境試験室の新設などの要件定義を取りまとめました。2階にはクリーンルーム含めた細胞を扱うウエットラボを計画することになり、こちらもヤマト科学の関係部門へのヒアリングにて部屋の条件をまとめレイアウトに落とし込むことで、基本設計前に各部屋の要件定義がまとまり、プロジェクト全体の時間・コストにムダが発生しないようコンサルティング業務を実施しました。
弊社Fortec Architectsは、LDS松村社長と共に、ヤマト科学にとって重荷になるダブついた施設にならないよう、希望要件に対し建設コストを必要最小限で叶える提案を実施し、事業判断をいただきました。その結果、基本設計段階で2階建て1,000m2とし、当初設定したコストとスケジュール、延床面積はほぼ変更なく建屋が完成させることができました。
YIHの建屋デザインコンセプトはヤマト科学が自社開発している製品デザインを意識し、白と黒を基調として遠目から見た際に製品デザインを想起させる外観としています。
また、建物内の「面積効率を最大に」するプランニングを行いましたので、廊下は設けずに、建屋に入るとすぐに機能のある部屋がつながっているレイアウトにしています。
1階には環境試験室を3台実装、必要となった場合は4台目を設置できるよう将来スペースを用意しました。環境試験室はギリギリまで天井高を確保し、開発業務に支障が出ないようにする必要がありました。そこで天井は塞がずオープン天井として、環境試験室の上は配管が避けるように計画し、更には全ての配管を左右交錯することなく1か所に集約して屋上に上げられるよう考慮し、将来的にメンテンナンス箇所が分散することなく、ランニングコストが抑えられるようにしました。
屋上に設置した空調関連設備は、周囲の住宅環境の配慮への踏まえ、一切見えません。騒音を最小限におさえるルーバーを設備の周囲に設置し、規制がかからないギリギリの面積で仕上げました。
YIHの外観は面積の大部分をガラス張りにしています。建物高さの一番上まで届く大きさのガラスを採用しておりますので、外観にインパクトを与えると同時に、建屋内からは窓ガラスのフレームが見えず、空に向かって開放感のある内部空間となっています。
大きなガラス面は、なるべく多くの光を取り入れ、2階のオフィススペースの奥まで光が届くための重要な役割を果たしており、ガラス面側は眺望もよくリラックスできるようなカフェスペースを設け、ガラス面とは反対側の奥側は業務に集中できるワークスペースを配置し、オンとオフの切り替えにより開発業務効率が上がるようにしました。
2階クリーンルームは標準仕様の白色のパーティションでは外から見える内装として違和感が出てしまうため、パーティションは特注で外側が黒、内側が白色となるサンドイッチ構造のものを設置しました。クリーンルームは特殊な天井フィルターユニットを設置し、限られたスペースの中で圧迫感が出ないように工夫しています。設計はクラス10,000想定ですが、実測はクラス1,000程度を実現できています。
私は今回、研究施設営業担当として、現場事務所が立ち上がった段階、基礎を打っている段階から現場に足を運んで現場条件を直接ヒアリングする活動をしました。
実験什器の選定は、2階の実験台はクリーンルームなので収納スペースを確保しづらいことを配慮し、引き出しや棚の多いオールスチール製キャビネットタイプの実験台を配置しました。1階は機器開発で様々な材料を使う動作の作業性を考慮して、カート式のフレームタイプの実験台が良いと思いました。ヒュームフードは実験台と同シリーズで一体感が出るデザインのLab Scape Systemシリーズ製品を選定し設置しました。
2階ライフサイエンス研究センターは、受託業務をメインにすることが最終目的ではなく、受託できるレベルで実細胞を扱うことによって、お客様と同じ目線で話ができ、信頼関係を築いたうえでアプリケーション開発の業務が成り立つと考えています。
将来的にはクリーンルーム内のキャビネットでの手元作業をラボの外側にモニターで共有できるようにしたいとも考えています。
1階の技術開発研究所には、それまで山梨の南アルプス工場にしかなかった環境試験室を設置できました。試作室で組立作業や、電気室での電気配線やソフトウェアのプログラミング作業など、制御基板のプログラム確認やノイズシュミレーターを使用した開発業務が効率よく進められるようになりました。恒温水槽や冷却水循環装置などは、各種環境状況下での検証が必要なので、開発品にあわせて複数台の恒温恒湿室を稼働させ開発効率が上がっています。
南アルプス工場のR&Dセンターと合わせ、科学機器の総合メーカーナンバーワンを目指して開発研究を進める体制が整いました。これからは更に開発スピードを上げて、一つでも多くのより良い製品をお届けできるよう所員一体となり活動いたしますのでご期待ください。
※本ページに記載の所属及び肩書は2024年10月時点のものです。
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