水と環境に関する商品・技術・サービスを駆使したソリューションの提供を通じて持続可能な社会の実現を目指す栗田工業株式会社は、2022年4月、グローバルな研究開発体制の中核拠点として、Kurita Innovation Hub(東京都昭島市)を開設されました。水と環境に関する最新鋭の研究設備・分析機器を有し、技術革新・社会変革の中心地としてスタートした新拠点の開設にあたり、ヤマト科学に求めた「もの」と「こと」についてお伺いしました。
【2022年5月】
栗田工業株式会社
イノベーション本部 KIHセンター KIHマネジメント室 業務変革チーム
チームリーダー 和田 真一 様
水と環境に関する商品・技術・サービスを駆使したソリューションの提供を通じて持続可能な社会の実現を目指す栗田工業株式会社は、2022年4月、グローバルな研究開発体制の中核拠点として、Kurita Innovation Hub(東京都昭島市)を開設されました。水と環境に関する最新鋭の研究設備・分析機器を有し、技術革新・社会変革の中心地としてスタートした新拠点の開設にあたり、ヤマト科学に求めた「もの」と「こと」についてお伺いしました。
【2022年5月】
栗田工業株式会社
イノベーション本部 KIHセンター KIHマネジメント室 業務変革チーム
チームリーダー 和田 真一 様
Kurita Innovation Hubは、弊社のグローバルな研究開発体制の中核拠点として開設しました。その目的は、国内外のお客様や研究機関をはじめとするステークホルダーとの交流・協働により多様な知を融合させ、社会・産業課題を解決するイノベーションの創出を加速することです。
建物の役割としては、研究開発機能に加え、技術研修、企業展示、オープンイノベーションを推進するための協業実験室などを備えています。周辺環境との共生、地域社会への貢献も重視し、開かれた研究所となるよう外観デザインにもこだわりました。
以前の研究所は20年以上使用しているものがほとんどでしたので、新研究所に導入する実験什器は安全性を担保する「性能面」に期待して選定しました。実際、ヤマト科学の什器を採用してみて、特にヒュームフードについて、風量や状態表示モニターだったり、オートクローズ機構:人がいない時に前面扉が自動で下がってくるといった機能は非常に良いものを感じました。
前面扉の開度に応じて必要な面風速を確保しつつ吸排気量を制御する機構を加えたことで、安全性確保と省エネが両立できることにも満足しています。
我々の要望として、実験で使う排気の性状や排水の性状に合わせて、製品に特定の色を塗装する対応していただきました。一目で研究者が判別でき、安全面にもとても大切な仕様でした。各使用者の要望も製品の随所に取り入れてくださり、流し台の角を取るといったような、使い勝手を考慮する細かい要望もお応えいただきました。また、施工時の建築側との取り合いや現地での製品調整など、我々では気がつかない点にも配慮いただき、完了まで丁寧に仕上げていただきました。
ヤマト科学株式会社
研究施設カンパニー 施設技術部 東日本統括設計グループ
松本 浩二
建屋の意匠とあわせて什器は材質から選定しました。もちろん耐薬品性も考慮しています。たとえば、実験台上の作業スペースを広く確保できるように、ユーティリティ配管のボックスの形状を新規設計しました。特に、分析装置を設置する実験台は、意匠性と安全性を考慮し、乱雑になりがちな配線・配管を収納できるようアイデア満載の仕様となっております。
今回、新設の実験什器だけではなく、栃木にあった研究所からの実験機器の移設もヤマト科学に依頼しました。一括して依頼したことで、建設工事の後半に新設什器の設置時期と重なる調整が複雑になる部分を、短期間に効率よく大量の機器を移設していただくことができました。
ヤマト科学株式会社
研究施設カンパニー 移送システム課
矢野 佳史
非常に短期間と限られた工期の中でお客様の研究業務をいかに止めずに立ち上げるか、が課題でした。新規納入品・工事と合わせてご依頼いただいたので、竣工前の建屋内における作業に必要な情報を元に、総合的な管理ができ、ヤマト科学としてトータルでうまく進めることができました。実験機器・設備品に精通しているヤマト科学ならではの対応力で、各業者との作業区分についてのトラブルなども未然に防ぎ、運送・工事を集約することによりコスト削減も実現いたします。
まずは、社内外の多様な人々が集い、繋がる場として、コミュニケーションの質と量を向上させることが重要と考えています。
今後は一つでも多くのイノベーションをこのKurita Innovation Hubから生み出し、社会や顧客に対し、高い価値を提供し続けてまいります。
今回の新研究所では、実験台約1,000台、フードは100台以上が計画されており、ヤマト科学としても総力を結集して、製品やシステムのご提供をさせていただきました。これからも多くのイノベーションの創出にお力添えさせていただけるような活動を目指してまいります。
環境分析から事業領域を拡大し、高薬理活性医薬品の分析ニーズにお応えできるようになりました。 ― ...
ひとつでも多くのイノベーションを生み出す場所へ ― 新研究開発拠点の計画内容についておしえてくだ...
中央実験台は棚高さ可変加工により、分析機器の高さに合わせてスペースを有効活用できます。 納...
北陸・福井から全国へイノベーションを生み出すNIC 「NICCAイノベーションセンター(NIC)」は、...
デザイナーが果たす役割とは素直に製品と向かい合うこと 「ヒュームフード」という実験設備のお...
100人定員のセミナー会場に160人が詰めかけた 森川 2017年9月に幕張メッセで開催された分析・科...
オートクローズ機構の採用により省エネルギー化を実現
ヤマト科学株式会社
研究施設カンパニー 研究施設ソリューション営業部
大川 和俊
今回、各実験室の空調(給排気)システムはVariable Air Volume(VAV)により可変風量制御を行っており、安全でかつ快適な室内環境を維持するよう設計されていました。それとともに、ヒュームフードにサッシオートクローズ機構を採用することで、必要最低限の排気風量に抑え、全体として省エネ効果が期待できます。ちなみに、安全面を考慮して、前面サッシ下部にあるセンサーにより、障害物を検知してサッシの降下が自動で止まる機構も搭載させていただきました。