ハンディアスピレータとは
ハンディアスピレータは一般的にはエゼクターという名称で呼ばれる真空を作り出す装置です。アスピレーターや、水流真空ポンプなどとも呼ばれています。水流の力によって真空を作り出しますので、吸引してきたガス・蒸気(ベーパー)は水流のタンクに全て放出されます。
しかし、水槽内の水にベーパーが溶解しますので有機溶媒や有毒物を吸引した場合は水槽タンク内の水ごと産業廃棄物として処理する必要があります。
反面、水道水さえあればどこでも使用でき、配管設備や消耗品もありませんので手軽に使用できるというメリットがあります。
また、減圧装置としては他のどのような種類の装置よりも低価格で使用できる最大のメリットがあります。

ハンディアスピレータの原理
ハンディーアスピレーターは金属アスピレーターに高速の水流を送り込む水流ポンプと金属アスピレーターで構成される簡単な構造の装置です。オリフィスに高速の水流を通すとオリフィスから開放されて圧力が急激に下がるときに周辺の空気を吸い込んで流れます。
このときの到達圧力は水の蒸気圧が限界となりますので、水温が低いほど蒸気圧は下がりますから流す水は温度が低いほど高真空が得られます。
溶媒を吸引しますとその分蒸気圧が高くなりますので、到達圧力は悪くなります。

ハンディアスピレータの使い方
ベーパーや空気を一緒に吸い込んでも性能にあまり影響しませんので、主に吸引ろ過や濃縮装置などに使用されます。水系試料や環境影響のない物質の吸引に適切です。