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製品情報

製品詳細

顕微分光膜厚計

OPTM シリーズ

型式:OPTM シリーズ

光学系本体のみ

顕微分光光学系

光干渉の図

反射率スペクトル変化

反射対物レンズ

近紫外から近赤外の利点

顕微イメージ

面内測定

フィッティング画面

マクロ設定

アニール処理したITO膜

SiN膜

Si-ITO膜測定結果

顕微分光膜厚計(OPTM シリーズ)

Optical Thickness Meter

  • 顕微分光膜厚計(OPTM シリーズ)

製品概要

1nmの薄膜を1秒で測定可能な高速・高精度膜厚計

顕微分光膜厚計(OPTM シリーズ)の特徴

OPTMとは?

OPTM (オプティム)は、顕微による微小領域において測定時間1秒という高速で、1nm~92µmまでの薄膜を高精度に膜厚・光学定数解析が可能な装置です。各種フィルムやウェーハ、光学材料などのコーティング膜の厚みや多層膜を非破壊・非接触で測定できます。また初めての方でも簡単に光学定数の解析ができるソフトウェアを搭載しています。

膜厚の測定原理:光干渉法

膜厚測定の原理は光干渉法で、近紫外から近赤外の測定用光源から照射された光は対物レンズを通じてサンプルの微小領域に照射されます。反射した光は分光器で分光され検出器に届きます。




例えば、基板上にコーティングされた膜を測定する場合、対象サンプル上方から入射した光は膜表面で反射します(図中のR1)。さらに膜を透過した光が基板や膜界面で反射します(図中の R2)。このときの光路差による位相のずれ(位相差)によって起こる光干渉現象を測定し、得られた反射スペクトルと屈折率から膜厚を求めることが出来ます。






反射率スペクトルは膜厚によって大きく異なります。最小二乗法など膜種に応じた解析アルゴリズムを用いて膜厚を求めることが出来ます。さらには、屈折率(n)や消衰係数(k)などの光学定数も求めることが可能です。





特徴

・反射対物レンズが実現する透明基板の高精度測定
反射対物レンズの採用により、フィルムやガラス等の透明サンプルの裏面からの反射を除去することができ、高精度に膜厚を測定出来ます。




・紫外域光源が実現する極薄膜の測定、近赤外域光源が実現する色付きサンプルの測定
紫外域の反射率スペクトル可視域に比べて膜厚変化に大きな違いが現れるので1nm程度の極薄膜測定に有効です。また、可視域で吸収の強いカラーフィルターなどの色付きサンプルは、近赤外ではほぼ透明となるため近赤外域での測定が有効です。






・微小領域で狙ったパターンや部位の測定が可能
サンプル画像と測定光取り込み部分を同時に表示することで正確な部位を確認出来ます。微小 3Φµm のスポット径(オプション)の顕微測定も可能です。






・自動XYステージによる高速多点測定
自動 XY ステージを搭載したOPTM-A シリーズでは、膜厚の面内マッピング測定が可能です。高速オートフォーカス機能により、ウェーハ面内25 ポイントを1分以内で膜厚測定することが可能です。






・多様な膜種に対応した解析アルゴリズム
膜厚は、膜種に応じた解析アルゴリズムにより求めることが出来ます。膜種に応じて、最小二乗法、最適化法、周期解析(FFT 法)、PV(ピークバレイ法) など、最適なアルゴリズムを選択することで、高精度な膜厚解析が可能になります。






・測定シーケンスをカスタマイズ可能なマクロ機能
オートフォーカス、XY 移動、サンプル測定、解析、などの測定シーケンスをカスタマイズできます。





測定例

・傾斜モデルの薄膜の構造解析: ITO 膜の単一層において、アニール処理による厚み方向の光学定数(屈折率(n)と消衰係数(k))の違いを求めることが出来ます。




・表面粗さを考慮した膜厚解析:表面上に粗さ層がある場合は、粗さ層は有効媒質近似法でモデル化して評価します。






・超薄膜での nk 解析:従来の反射分光法では、100nm 以下の薄膜の膜厚測定結果にバラつきが出やすく解析が困難な場合がありました。OPTM では 、膜厚水準の異なる3サンプルを用いて解析することにより正確な膜厚が求められます。(複数点解析法)。





OPTM 活用例

・SiO2 SiN の膜厚測定:半導体トランジスタ間を絶縁するための絶縁膜(SiO2(二酸化シリコン)やSiN(窒化シリコン))の性能、正確なプロセス管理のため、これらの膜厚を測定する必要があります。

・カラーレジスト(RGB)の膜厚測定:カラーフィルターのカラーレジストの厚みが一定でないと、パターンの変形、カラーフィルターとしての色味の変化の原因になるため、膜厚値を管理することは必要があります。

・ハードコート層の膜厚測定:高機能フィルムを用いた製品が一般に普及しており、用途によってはフィルム表面に耐摩擦、耐衝撃、耐熱、耐薬品などの性能を持つ保護フィルムが必要になることがあります。保護フィルム層としてハードコート膜を製膜することが一般的です。この厚みによって保護フィルムとして機能しなかったり、フィルムにそりが生まれたり、見た目のムラや歪みの原因になるため、ハードコート層の膜厚値を管理する必要があります。

・界面係数を用いた荒れた基板上の膜厚測定:基板表面が鏡面でないラフネスの大きなサンプルの場合、散乱により測定光が低下し、測定された反射率が実際より低くなります。界面係数を用いて基板表面での反射率の低下を考慮することで、荒れた基板上の薄膜の膜厚値を測定することが可能です。

・DLC コーティング厚みの測定:DLC(diamond‐like carbon)はアモルファスな炭素材料です。高硬度・低摩擦係数・耐摩耗性・電気絶縁性・高バリア性・表面改質や他材料との親和性向上等の特徴があり、さまざまな用途に利用されています。測定波長範囲を変えることで極薄膜から超厚膜まで幅広い膜厚が測定できます。また、独自の顕微鏡光学系を採用することでモニター・サンプルではなく、ドリルやシャフトなど形状のあるサンプルの実測定が可能です。

システム構成

光源波長膜厚測定範囲*1自動 XYステージタイプ固定フレームタイプ組み込みヘッドタイプ
230~800 nm1nm~35 µmOPTM-A1OPTM-F1OPTM-H1
360~1100 nm7nm~49 µmOPTM-A2OPTM-F2OPTM-H2
900~1600 nm16nm~92 µmOPTM-A3OPTM-F3OPTM-H3
*1 数値はSiO2換算の膜厚値です。測定可能範囲は、測定機種、測定条件及び分光器仕様などにより異なります。

主な仕様

仕様


型式 OPTM シリーズ
サンプルサイズ Max.200 x 200 x 17 mm(自動XYステージタイプの場合)
フォーカス機能 オートフォーカス
多層膜解析 最大50層
測定スポット径 5um - 100um (対物レンズ倍率により異なります)
膜厚測定範囲 1nm - 92um (検出器の波長範囲により異なります)
内寸法(幅×奥行×高さ) 555×537×568mm
外寸法(幅×奥行×高さ) 555×750×568mm
備考(寸法) 内寸は光学系本体のみの表示です。また、データ処理部は含んでおりません。
電源容量 AC100V 5A
500VA
重さ 69kg
備考(重さ) データ処理部は含んでおりません。
価格(税抜) 8,000,000円~

メンテナンス・保証内容


通常、納品検収後1年