Q&A

オシロスコープはじめてガイド

更新日:2018年04月24日

1. オシロスコープとは

オシロスコープとは、時間の経過と共に電気信号(電圧)が変化していく、周期的変化をリアルタイムに波形としてブラウン管に表示させ、目では見ることのできない電気信号の変化していく様子を観測できるようにした波形測定器です。
通常、画面表示の水平方向では時間の経過と共に比例して変化する電圧を、垂直軸では観測する信号の電圧を表し、2次元のグラフとして画面上に表示するオシログラフ(※1)です。 
高周波信号まで観測できるものが一般的であり、主に波形の分析、高速現象の観測、過渡現象の観測など、電気計測の分野で多く用いられています。

2. オシロスコープの原理

オシロスコープは、ブラウン管の電子銃から飛び出した電子ビームを、その前方にある二組の偏向板に加える電圧を加減し、水平方向や垂直方向に進路を曲げ、スクリーン(蛍光面)に衝突させます。そこからリサジュー図形(※2)の描画を応用して波形を描いています。
水平方向からは時間の経過と共に比例して変化する電圧を、垂直方向には観測する信号の電圧を同時に加え、信号電圧の時間的な変化を波形として観測できる仕組みになっています。
ただ単に水平方向と垂直方向に信号を加えただけでは、うまく観測することはできません。両軸の信号の周期を合わす必要があります。
電子ビームを掃引(水平方向に振らせること)するにはノコギリ波を用い、同期をとるためには、垂直軸へ加える信号電圧のどの部分で、ノコギリ波をスタートさせるかを決めることと、それを正確に繰り返すことが必要です。
同期の方式には、「同期掃引方式」と「トリガ掃引方式」の2種類があります。

■同期掃引方式とは

掃引用のノコギリ波を発生させ、スクリーンの波形を見ながらその周波数を手動で調節し、波形が静止して見えるように同期をとる方式です。
静止した状態で見るためには、観測する信号の周波数と掃引用のノコギリ波の周波数が整数比の関係を保っていることが必要であり、観測信号の周波数成分を取り出し、それを同期信号として手動でノコギリ波の発生周波数が整数比になるように制御する必要が出てきます。
この方式は電子回路の構成が簡単ですが、精度や安定性という観点において、使用者からのニーズに応えられず、現在では主に低周波測定用として限られた場面において使われているようです。

■トリガ掃引方式とは

同期掃引方式に対しトリガ掃引方式については、観測信号が無い時にはノコギリ波は発生しません。ノコギリ波発生回路が観測信号の有無に関わらず、動作する同期掃引方式とは大きく異なる点です。
観測信号があるとノコギリ波が自動的に発生しスクリーンに波形を描写するため、手動で波形を静止させる必要がありません。信号が入ってくると、その信号の一部を同期信号として取り込み、それからトリガ・パルスを作り、ゲート回路を通してノコギリ波の発生回路が初めて動作しノコギリ波が1個発生する仕組みになっています。
連続的に信号が入ってくると、その度にこの動作を繰り返し波形が次々と描かれることになります。つまり、観測信号が入ってくるとノコギリ波が自動的に発生しスクリーンに波形を描き、同期掃引方式のように手動で波形を静止させる必要がありません。
このトリガ掃引方式では、発生するノコギリ波の周波数を観測する信号の周波数とは無関係に決められるので、波形の一部分だけを蛍光面(スクリーン)に描くことも簡単にできます。

トリガ掃引方式は、垂直軸の電圧目盛や水平軸の(掃引)時間目盛の精度が同期掃引方式に比べて格段に優れています。波形の任意の部分を描くことができ、1度しか発生しないような現象や、高速で変化する現象も観測できます。それため、現在ではオシロスコープの殆どがこのトリガ掃引方式です。

3. オシロスコープの使い方

ここではベーシックな操作方法を説明しています。
オシロスコープは入力信号が許容電圧を超えなければ、ノブやスイッチが適当な位置になくてもすぐ故障する心配はまずありません。スクリーンに表示される波形を見ながらあちこち操作して、それぞれのノブやスイッチのファンクションを早く覚えることが肝心です。

電源をONする前に予め基本ポジションにセット

初めてオシロスコープを使う方が、波形がスクリーンに現れず、どうして良いのか戸惑うことがしばしばあります。その為、電源スイッチを[ON]する前に、あらかじめノブやスイッチをセットします。この手順で進めることで、スクリーンに輝線が表示され、正常にオシロスコープが立ち上がったことが確認できます。

基本ポジションにセットしたら電源ON

最初は電源を入れ輝線がスクリーンに出るまでのオシロスコープ立ち上げの操作です。
※機種によって、異なります。

■電源を入れる
■輝度を上げる
■輝点を出す
■焦点を合わせる
■輝線を水平に修正する
■目盛照明を明るくする

輝線が見えない場合には基本ポジションにノブ(つまみ)やスイッチがセットしてあるか再確認しましょう。

 

ノブやスイッチのセットが完了したら信号を入力

輝線がスクリーンに現れたら次は信号を入れて適当な振幅の波形をスクリーンに出すまでの操作です。

■信号発生器を準備する
■オシロスコープに信号を入力
■表示された波形を観測しやすい状態にする

波形が静止しない場合は入力電圧を上げるか、TRIGGERING LEVELノブを右または左にゆっくり回し静止状態へ調節します。
波形が安定に表示されるようになったら、基本的な操作として以下のようにノブ(つまみ)やスイッチを回してスクリーンの波形の変化する様子を確認します。

オシロスコープで操作をする頻度が高いツマミについて

どの様な機能を果たしているのか説明します。

●VERTICAL POSITION (垂直位置調整)
 このツマミが可変範囲の中央付近にある時は、波形もスクリーンの中央にあります。
 右に回すと上の方向へ、左へ回すと下の方向へ移動します。

●HORIZONTAL POSITION (水平位置調整)
 このツマミが可変範囲の中央付近にあれば、波形もスクリーンの中央にあります。
 右に回すと右の方向へ、左へ回すと左の方向へ移動します。

●VOLTS/DIV (垂直感度調整)
 このツマミを右に回すと垂直増幅器の入力電圧が増加して波形の振幅が大きくなり、
 逆に、左へ回すと入力電圧は減少して波形の振幅が小さくなります。
 変化は連続的でその範囲は約2.5倍ほどです。

●VARIABLE (垂直感度微調整)
 このツマミを右に回すと垂直増幅器の入力電圧が増加して波形の振幅が大きくなり、
 逆に、左へ回すと入力電圧は減少して波形の振幅が小さくなります。
 変化は段階的で飛び飛びです。

●VARIABLE (掃引時間微調整)
 このツマミを右に回すと掃引時間は速くなり見える波形の周期は少なくなり、
 逆に、左へ回すと掃引時間は遅くなり見える波形の周期は多くなります。
 変化は連続的でその範囲は約2.5倍ほどです。 

●SWEEP TIME/DIV (掃引時間切替器)
 このツマミを右に回すと掃引時間は速くなり見える波形の周期は少なくなり、
 逆に、左へ回すと掃引時間は遅くなり見える波形の周期は多くなります。
 変化は段階的で飛び飛びです。

4. オシロスコープによる測定

オシロスコープでは、何が測定できるのか?
基本的には次の三つになります。

■01 電圧の測定

電圧(V)= 振幅(div)× 偏向感度(V/div)
交流電圧、直流電圧、微少交流電圧を含む直流電圧の測定。

■02時間の測定(周波数の測定)

時間(s)= 距離(div)× 掃引時間(s/div)
周期の測定、周波数の測定。

■03リサジュー図形による測定

2信号の振幅比較の場合
振幅比 = 信号Bの最大振幅(div)÷ 信号Aの最大振幅(div)= X(div)÷Y(div)
リサジュー図形による測定については、二つの信号の振幅比較、位相差測定、周波数比の測定などがあります。

■ 電圧の基本測定

○交流電圧の測定
 電圧(V)= 振幅(div)× 偏向感度(V/div)
○直流電圧の測定
 電圧(V)= 距離(div)× 偏向感度(V/div)
○交流分を含んだ直流電圧の測定
 ・直流電圧分の測定
  電圧(V)= 距離(div)× 偏向感度(V/div)
 ・交流電圧分の測定
  電圧(V)= 振幅(div)× 偏向感度(V/div)

■ 時間の基本測定

○時間の測定
 時間(s)= 距離(div)× 掃引時間(s/div)
○周波数の測定
 周波数(Hz)= 1 ÷ 周期(S)

■ リサジュー図形による基本測定

◯ 振幅の比較
 振幅比 = 信号Bの最大振幅(div)÷ 信号Aの最大振幅(div)= X(div)÷Y(div)
◯ 位相差の算出
 sinθ = Z(div)÷ Y(div) (※θ=位相差)
◯ 周波数の比較
     周波数比 = X軸入力信号の周波数 ÷ Y軸入力信号の周波数
       = 垂直線との交点数 ÷ 水平線との交点数

5. オシロスコープによくあるご質問

Q.X軸、Y軸、Z軸とは?

A.垂直軸、水平軸と表現するのが一般的ですが、スクリーンをグラフ用紙に見立てて、垂直軸Y軸、水平軸をX軸と呼ぶ場合が多いです。また、表示波形の一部分の明るさを変える輝度変調関係をZ軸と三次元的な表現も用いられています。

Q.CH1→Y軸 ?、CH2→X軸 ?

A.機種によって異なります。CH1をY軸、CH2をX軸。その逆にCH1をX軸、CH2をY軸となっている機種もあります。

Q.時間の測定で注意することは?

A.立上り時間、立下り時間、パルス幅など、時間を測定する時には、必ず、SWEEP VARIABLEツマミを[CAL]にセットしておきます。

■補足
※1 オシログラフとは、電気信号の波形を観測する装置、測定器です。
※2 リサジュー図形とは、お互いに直交する二つの単振動を順序対として得られる点の軌跡が描く平面図形のことを指します。それぞれの振動の振幅、振動数の違いによって、多様な曲線が描かれます。

6. オシロスコープ デモ機一覧・貸出について

製品名 モデル名 周波数/帯域 最高サンプリング/速度 メモリ
オシロスコープ WaveAce1000/2000 WaveAce2014 100MHz 1~2GS/s 12kポイント/ch(24kポイント@2ch)
オシロスコープ WaveSurfer3000 WaveSurfer3024 200MHz 2GS/s(インターリーブ時4GS/s) 10Mポイント
オシロスコープ WaveSurfer3000 WaveSurfer3034 350MHz 2GS/s(インターリーブ時4GS/s) 10Mポイント
オシロスコープ WaveSurfer3000 WaveSurfer3054 500MHz 2GS/s(インターリーブ時4GS/s) 10Mポイント
12ビットオシロスコープ HDO4000 HDO4034-MS 350MHz 2.5GS/s 12.5Mポイント
12ビットオシロスコープ HDO6000 HDO6104 1GHz 2.5GS/s 50Mポイント/ch
モータ・ドライブ・アナライザ MDA800 MDA805 500MHz 2.5GS/s 50Mポイント/ch

 

■ デモ機の貸出について

 

・貸出期間:1~2週間
・対  象:法人、学校、官公庁 ※同業者、個人でのお申し込みはご遠慮ください。
・費  用:無料 (ご返却時の送料はお客様負担となります。)
・注意事項:返却の延滞がないようにお願いします。
      付属品(説明書、ACアダプターなど)もお忘れなくご返却ください。
      性能評価やシステムテスト以外の目的でデモ機のご使用はご遠慮願います。
      ご使用後のアンケートのご協力をお願いします。

■ お申し込み

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