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Q&A

【お客様の声:微小重力環境細胞培養装置Zeromo】東京女子医科大学 様

更新日:2021年01月05日

微小重力環境細胞培養装置(クリノスタット) Zeromoをご利用いただいております、東京女子医科大学 先端生命医科学研究所 高橋 宏信 先生にご研究について伺いました。

Zeromoを使って筋芽細胞の微小重力の影響を研究

≫ Zeromoを用いて、現在どのような研究をされていますか?

我々は筋肉と重力の関係を細胞レベルで観察するために、筋肉のもとになる筋芽細胞をZeromoで培養しています。微小重力環境で培養することで通常の重力が筋芽細胞にどのような影響を与えているかについて知ることができれば、筋肉と重力の密接な関係を新しい視点から研究することにつながると考えています。これまでに微小重力の影響によって筋芽細胞の増殖力が低下する現象が見られており、地上において筋肉が重力を必要としていることの一端を表していると考えています。

Zeromoによって地上で簡単に重力と生体との関係を知る研究ができる

≫ Zeromoのメリット、成果があればお教えください。

筋線維になる前の筋芽細胞の画像(培養条件:0.5×104 cells/cm2で培養皿に播種、5日間培養)
通常の重力(1G)の場合、コンフルエント状態であるのに対して、微小重力の場合、同じ培養期間でも増殖抑制されるためスペースが見られる。

微小重力が人体に及ぼす影響はある程度わかっており、地上の重力がなくなることで宇宙飛行士の筋肉が萎縮することはよく知られています。このユニークな筋肉の反応は非常に興味深いですが、その研究は(宇宙ステーションにおける動物実験も含めて)宇宙飛行士に託されていることから限定的なものになっています。Zeromoを使用することで、地上で簡単に重力と生体との関係を知る研究を行うことができれば、これまで知ることができなかった新たな知見を得ることができます。さらに、細胞を対象とした研究を行えるため、多種多様な細胞種にそれぞれ異なる影響があることを知ることができます。
現在は筋肉のなかでも筋芽細胞に特化した微小重力の影響を観察しており、細胞が増えにくくなる現象が起こることを明らかにしていますが、これは生体における筋の維持システムのなかで筋芽細胞が担う役割を知ることにつながります。別の細胞はまた別の役割を担っていると思われるため、筋萎縮に関連する様々な細胞の役割を細胞ごとに把握していくことから筋肉が萎縮する原因を少しずつ解明していければと思っています。

Zeromoで筋肉が萎縮する現象を解明するヒントを見つけ出す

≫ Zeromoを活用して、先生の今後の研究テーマ・方針・展望を教えてください。

現在行っている研究は筋芽細胞に対する重力の役割を明らかにしようとするものですが、その研究から得られた情報には、生体において筋肉が萎縮する現象を解明するヒントが隠されていると考えています。
重力の負荷がないことで起こる筋肉の萎縮は主に宇宙飛行士にとっての問題ですが、このような研究を通じて筋肉の維持に重力がどのような役割を果たしているか明らかにできれば、さらにその知見を活かして加齢や疾患に伴う筋肉の萎縮を防ぐ研究にも応用できると期待しており、より幅広く社会に貢献する成果を生むことができます。また、そう遠くない将来に人類が宇宙に滞在することが一般的になったときには、重力と生体の関係を知ることはさらなる価値を生むことにもなると期待しています。

≫ 微小重力環境細胞培養装置 Zeromoの詳細はこちら

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