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製品情報

製品詳細

顕微レーザーラマン分光測定装置

LabRAM HR Evolution

商品コード:394106

型式:LabRAM HR Evolution

本体

ラマンスペクトル

イメージング結果

DuoScan

共焦点3Dイメージング

結晶性評価

ラマンによる薄膜測定

シリコンイメージング

PL測定バンドギャップ

ParticleFinder

  • 顕微レーザーラマン分光測定装置(LabRAM HR Evolution)

製品概要

僅かな構造の違いも識別可能な業界最高精度の顕微ラマン分光装置

顕微レーザーラマン分光測定装置(LabRAM HR Evolution)の特徴

製品概要

顕微レーザーラマン分光測定装置LabRAM HR Evolutionから得られるラマンスペクトルにより、物質濃度や含有量、分子の構造、さらには変形・応力などの構造変化など、様々な情報が得られます。
具体的に、ラマンスペクトルから下記の情報を得ることが出来ます。
・スペクトル強度:化学物質の濃度・含有量、結晶方位、欠陥など
・ピーク位置:分子・格子構造など
・ピーク位置シフト:変形・応力/歪・温度など
・スペクトル幅:結晶性・異方性・欠陥・ドーパント濃度など
・強度比:相対濃度・含有量など
・偏光:結晶方位、配向性



したがって、顕微レーザーラマン分光測定装置LabRAM HR Evolutionを使うことで、半導体性能の向上、電池用電極スラリーの歩留まり評価、材料の品質チェック、錠剤中の薬効成分の分布評価などが可能です。

LabRAM HR Evolutionの主な特徴

・紫外から近赤外まで広い測定波長領域:複数の検出器を用いて(CCD検出器、InGaAs検出器)200~2100nmまで測定対応
・高分解能スペクトル:焦点距離800mmの分光器を採用することで、わずかなピークシフト差の評価や、紫外域での測定に有効
・レーザー・波長の自動切り替え:最大6波長のレーザー自動切り替えが、ならびに4波長までのフィルタの自動切り替えが可能

高速ラマンイメージング機構:SWIFT

ラマン分光によるマッピングやイメージングに時間が掛かりお困りではありませんか?
顕微レーザーラマン分光測定装置LabRAM HR Evolutionは従来のマッピングと異なり、検出器データの読み込みとXYステージ移動を並行処理してデッドタイムを最小化することで高速イメージングを可能としています(SWIFT)。
さらに、高感度・低ノイズで高速取り込みが可能な検出器Synapse EMCCDと組合わせることで(SWIFT XS)、露光時間を1ポイント1m秒以下にまで短く出来ます。

広範囲領域の高速スキャン:DuoScan

DuoScanはソフト上で指定された測定対象領域を走査ミラーによってレーザ照射光を試料上で走査することによってラマンイメージが取得できます。
さらに、DuoScanラマンイメージング機構を共焦点光学系と組み合わせるというユニークな設計により、水平・深さ方向ともに高い空間分解能で測定出来ます。
目的によって、平均化モード、ステップバイステップモード、マクロマッピンングモードを使い分けることが出来ます。

3Dマッピング

共焦点ラマンイメージング光学系により、非破壊で三次元の構造分析が可能です。
試料の二次元スライスのZ-stack(焦点面を少しずつずらして取り込んだ画像の再構成)に加え、結果として三次元それぞれのピクセルに関連した完全なラマンスペクトルも得ることも可能です。
さらに、全角度からのビューも可能です。

アプリケーションデータ

・結晶性の評価
シリコンはその構造から、結晶シリコン、ポリシリコン(多結晶シリコン)、アモルファスシリコンなどがあり、熱処理やアニールすると構造が変化することが知られています。
これらシリコンは構造によって電気特性や光電特性が大きく異なるため、構造を正しく評価することは重要です。
ラマン測定でこれら結晶の違いを評価することが出来ます。




*注釈
アモルファスシリコン (a-Si):比較的簡単な加工で半導体素子を作成できる。TFT (Thin Film Transistor)や太陽電池などに応用される。原料ガスに含まれる水素が膜中に取り込まれ、シリコンの未結合手(ダングリング・ボンド、dangling bond)が水素で終端されるため、欠損密度が比較的小さく電子移動度が低いという電気的性質を持っており、光電特性にも優れている。

ポリシリコン(P-Si):LCD用TFTなどに応用され、a-Siとc(結晶)-Siの中間。異なる方位を有する単結晶のシリコンの粒(「単結晶粒」)で構成されている。結晶-Siと比べれば移動度が低くなるものの、無定形なa-Siと比べればキャリア移動度ははるかに大きい。




・半導体表面のナノメータスケール薄膜の測定
歪みシリコン(Si)や、シリコンゲルマ(SiGe)薄膜層はナノメートルオーダーで形成され、その薄膜にかかる応力を評価するためには、試料の表面層だけを選択的に測定する必要があります。
UVレーザーを使用すれば、SiやSiGeへの光の侵入長が浅いため、表面層のラマンスペクトルを選択的に測定することができます。
633nmのレーザーで測定したスペクトルでは、強い高波数側のピークがSi基板由来のスペクトルで、その横に出ているピークが最表面のSiGe薄膜のラマンバンドです。
基板へのレーザーの侵入深さがSiGeフィルムの厚みよりも大きいため、基板のSiのスペクトルが強く測定されています。
UV領域の351nmのレーザーで測定したスペクトル(左図)では、Siのラマンバンドはほとんどなく、最表面SiGe層のラマンバンドのみを測定することが可能です。




・単結晶シリコンの二軸引張試験
半導体デバイスに生じる残留応力によって材料特性が変わるため、応力測定をすることは重要です。
平面二軸応力が負荷されている単結晶シリコンの微小構造体周辺の応力分布をラマン分光分析で測定出来ます。





・フォトルミネッセンス測定によるバンドギャップ/不純物の評価
LabRAM HR Evolutionの光学系を改良することで フォトルミネッセンス(PL)測定が可能です。
PL発光は物質中の不純物や欠陥に影響を受けやすいため、主に半導体材料のバンドギャップや不純物の測定などに用いられます。
例えば、SiC中の点欠陥に起因するバンド端発光の強度低下と、積層欠陥に起因する発光ピーク強度を評価することで、ウェハ面内の点欠陥と積層欠陥の分布を知ることが出来ます。




粒子解析:ParticleFinder

専用ソフトウェアParticleFinderは数百~数千個の粒子の位置を光学イメージからすばやく検出し、粒子サイズ、形状、ラマンスペクトルによる化学組成情報を関連づけて、自動で測定できます。

~特徴~
・数秒で粒子の位置を自動で検出・分析
・統計解析結果に基づき、粒子の選別を容易に実行
・化学組成分析が得意なラマン分光で、高精度なデータを収集
・ワンクリックで単一の粒子、全体の粒子マッピングについてもラマン測定が完了

顕微レーザーラマン分光測定装置LabRAM HR Evolutionの活用例

ラマン分光は、化学、電池、カーボン材料、製薬などの様々な分野で使用されています。
下記のような評価に有効です。

・半導体:応力、不純物、超格子構造と欠陥の研究、ヘテロ構造、ドーピング効果、超電導体、フォトルミネッセンスなど
・ポリマー:多形同定、ブレンド材料の分布状態解析、モノマーおよび異性体の分析、結晶性、配向性、多層構造、重合反応のモニタリング、複合材料の解析、純度および欠陥の研究、酸化、エージングなど
・炭素材料:DLC(Diamond Like Carbon)、フラーレン/ナノチューブの特徴付けダイヤモンド、グラファイト、炭素薄膜品質分析、ハードディスクコーティングの分析、複合材料および繊維など
・化学:相転移、触媒、腐蝕、酸化、電気化学、固体潤滑剤、シリコン化合物、エマルジョン、水の化学、溶媒解析など
・物理:セラミックス、応力、不純物、引張り強度、ガラス、損傷など
・薄膜:生体膜、LB膜、DLC/ダイヤモンドコーティング、フィルムの酸化、保護膜など
・地質学、鉱物学、宝石:鉱物に内包されたガスや液体、宝石、相転移、極限条件(温度、圧力など)における鉱物の度挙動、鉱物の結晶構造など

主な仕様

仕様


商品コード 394106
型式 LabRAM HR Evolution
価格(税抜) 27,500,000円~