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Q&A

窒素ガス発生装置の選定ガイド

更新日:2022年01月20日

窒素ガス発生装置とは?

大気中の空気から窒素ガスを分離精製する装置です。
分析機器や科学機器等のキャリアガス、真空下での熱処理後の酸化防止用のパージガス等で窒素ガスが使用されており、窒素ガスボンベの代用となる装置です。
吸着剤(Molecular Sieve Carbon)を使用したPSA(Pressure Swing Adsorption)方式では、99%~99.99%(場合により99.999%)の高純度の窒素ガスを得る事が出来ます。


基本的な機能・役割

・必要な純度・必要な流量の窒素ガスをスイッチ一つで供給できます。
・ガスボンベの代用として活用でき、煩わしいボンベの管理から解放されます。
・第二種圧力容器、高圧ガス保安法等の法規対象外ですので、設置に際して申請が不要です。

窒素ガス発生装置の基本的な原理は?

空気中の窒素ガス(4.2×3.0Å)と酸素ガス(3.8×2.8Å)が吸着剤である分子篩炭(Molecular Sieve Carbon)に吸着される速度には、分子の大きさによる差があります。この速度差を利用し窒素ガス濃度の純度を高くすることができます。
分子篩炭は吸着初期に酸素を選択的に吸着する特性があります。さらに高圧力下で吸着量が大きい特性を有しています。分子篩炭を充填した吸着用タンクへ送り込まれた圧縮空気中の酸素ガス、二酸化炭素ガス、水分などが短時間のうちに吸着され、吸着されない高純度の窒素ガスが得られます。一方、常圧まで減圧する事で酸素ガスなどを吸着した炭素分子ふるいは容易にガスを脱着し炭素分子ふるいは再生されます。分子篩炭を充填した2槽の吸着タンクの圧力を変化させることで吸着→脱着を繰り返し高純度の窒素ガスを製造します。このような吸着方式をPSA(Pressure Swing Adsorption)方式と呼びます。

ケース別おすすめ型式

ケース1
・N2流量を最大10NL/min確保したい
・安価で短納期なモデルを探している
・露点-60℃以下を確保したい
・ヤマト科学製品との親和性を重視したい
→ヤマト科学オリジナルモデルの NF300 がおすすめです。


ケース2
・とにかくコンパクトに設置したい
・N2流量は少量で良い(最大8NL/min)
・安価に運用したい
→業界最小のコンパクトモデル、Mini-CUBE Series がおすすめです。


ケース3
・N2流量は最大15NL/min程度確保したい
・設置場所が限られている
・フィルター交換等、ユーザーメンテナンスは手間なく行いたい
→縦置きと横置きが選択できる Mシリーズ がおすすめです。


ケース4
・N2流量は46~286NL/min確保したい
・ガスボンベや液体窒素のランニングコストが高い
・大量のパージが必要な工程や製造ラインで使用できる発生装置がほしい
→スクロールコンプレッサ内蔵の N2IMPACTシリーズ がおすすめです。