定格電力内で柔軟かつ効率的に電圧/電流を出力

ロギング機能付きワイドレンジ直流安定化電源（PSW-1080M160A）の特徴

製品概要

PSW-Aシリーズは、最大定格電力内で広範囲の電圧出力・電流出力が可能なスイッチング方式の直流安定化電源です。
出力容量は360W、720W、1080Wの3タイプ、最大電圧は30V、80V、160V、250V、800Vの5タイプ、全15モデルを揃え、幅広い用途に対応します。また、USBおよびLANポートを標準装備し、ラック組込みにも対応しているため、システム用電源としても使用可能です。

PSW-Aシリーズは、従来のPSWシリーズの機能をそのままに、オプションとしていた機能(ロギング、定電力制御、tUVP、FAN停止、設定桁固定)が標準搭載されています。
※PSW-Aシリーズにはパワースイッチトリップ機能はありません。

テストモード(シーケンス)

時間に合わせて電圧と電流の設定値を最大2000ステップまで自動更新するテスト機能を装備しています。
プログラミング不要で、CSVファイルを編集し、USBメモリを介して本体に読み込ませて実行できます。
CSVファイルは最大10個まで本体に保存でき、実行時にUSBメモリは不要です。


テストモード設定アプリケーション: PSW_TestMode_Writing
セキュリティの関係で通常のUSBメモリの利用が許されない環境でも、通信（USB/LAN）からステップを設定しテストモードが利用できます。本アプリではステップの転送以外にもテストモードのデータ編集・設定データの簡易グラフ表示・簡易リモート制御ができます。



USBメモリが使用不可の環境では、PCにUSBまたはLANで接続してCSVファイルを転送するWindowsアプリケーションを用意しております。
メーカーHP（https://www.texio.co.jp/product/detail/197#section1）から入手が可能です。またテストモードはファームウエアVer1.57以上での動作となります。

3種類の動作モード(CV/CC/CPモード)

PSW-Aシリーズは、電圧値(VSET)、電流値(ISET)および電力値(PSET)が設定できます。 3種類の設定値と電源モジュールの出力に接続される負荷値(R)により、各電源モジュールはCV(定電圧)モード、CC(定電流)モードおよびCP(定電力)モードのいずれかで動作します。
※テストモードはファームウエアVer1.57以上での動作となります。




CV, CC, CPモードの動作領域説明

【PSETが青点線の場合】
負荷値(R)が”VSET/ISET＜R”の場合、AB間の緑線上にてCVモードで動作し、負荷値(R)が”VSET/ISET＞R”の場合、BC間の赤線上にてCCモードで動作します。また、CPモードでは動作しません。
【PSETが青線の場合】
AD間の緑線上にてCVモードで動作し、出力される電力がPSET値になるとDE間の青線上にてCPモードで動作し、EC間の赤線上にてCCモードで動作します。
※電流設定または電力設定が製品定格の10%以下での設定の場合、CPモードでの動作が不安定となる場合があります。

電源出力状態を自動測定　ロギング機能

出力電圧・出力電流・ステータス情報を0.1秒～999.9秒の任意のサンプリング時間で内部メモリに保存し続けることができます。USBメモリ使用の場合は、1000データごとにCSVファイルを作成保存します。
PC使用の場合はUSB、LANを通じて転送することができます。



ログデータ出力先：1と2の何れかを選択
１.LAN/USB：IEEE-488.2バイナリブロック形式
２.USBメモリ：CSV形式（約30KB/1000データ）
USBメモリ保存：FAT32形式
シリアルナンバー名のフォルダを作成し、1000データ毎に
ファイルを作成。
サンプリング時間：0.1～999.9秒（任意に設定可能）
本体保存領域：8000データ
8000データを超えると一度全てのデータがクリアされます。

急峻な電圧低下による追従型低電圧保護　tUVP機能

tUVP機能は、緩やかな電圧低下には反応せず、急激な電圧低下により出力を遮断します。
定電圧動作・定電流動作の動作でも使用でき、あらゆる状況下での急激な低インピーダンス（短絡等）を保護します。

FANの音を一時停止　ファン停止機能

PSW-A本体背面に搭載されている強制空冷用のファンを、1秒から120秒の任意の時間に設定して停止させることができます。その後、ファンは自動的に復帰し、停止していた時間と同じ時間だけ回転して内部を冷却します。

ワイドレンジ出力

定格電力範囲内で、幅広い電圧と電流を出力することが可能です。
たとえば、PSW-360L30の場合、30V/12AのCV/CC電源としても、10V/36AのCV/CC電源としても使用できます。

出力スルーレート設定

出力電圧/電流のスルーレートのON/OFFができます。
急激な電圧/電流の変化による負荷の損傷を抑えます。

リモートセンシング機能

出力端子から負荷までの配線による電圧降下分を補償します。
補償電圧は、30V/80V/160Vモデルが片側最大0.6V、250V/800Vモデルが片側最大1Vです。

内部抵抗可変機能

任意の内部抵抗を設定することが可能です。設定電圧から負荷電流による電圧降下分を差し引いた電圧を出力するため、内部抵抗を持つ疑似バッテリーとして使用できます。

パネルロック機能

パネルロック機能は、偶発的なパネル操作ミスを防止します。パネルロックが有効の時は、”Lock/Local”キーが点灯し、”Lock/Local”キー以外のすべてのキーと電圧電流ツマミを無効にします。”Output”キーはオフ操作のみ有効です。

電圧・電流モニター出力

出力電圧および出力電流の0～出力定格に対して、0V～約10Vのモニタ電圧を出力します。

保護機能

保護機能は過電圧、過電流、加熱、AC入力不良、アラーム入力に対応し、出力をONまたはパワースイッチをOFFにします。
（注：パワースイッチをOFFにするとアラーム音が鳴りますが、これは不具合ではありません。また、アラーム音は設定でOFFにできます。）

ブリーダ回路ON/OFF

PSWシリーズには出力端にコンデンサが接続されており、OUTPUT OFF時にその電荷を放電させるためのブリーダ回路が搭載されています。ブリーダ回路をOFFにすると、出力OFF時に接続されているバッテリやコンデンサ、電池などの放電を抑えることができます。

マスタースレーブ動作

並列接続では同一機種3台、直列接続（250V/800Vモデルを除く）では同一機種2台のマスター・スレーブ動作ができます。マスタースレーブ動作時はマスター機だけに出力の合計が表示されます。

力率改善、ワールドワイド入力

力率改善回路を搭載し定格出力時の力率は0.99です。入力電源はAC100V～240Vのワールドワイド対応となっています。

外部アナログ制御

外部電圧による電圧･電流制御、外部抵抗（10kΩ）による電圧･電流制御、外部接点による出力ON/OFF、シャットダウン、出力電圧モニタ、ステータス出力信号（CV/CC、ALM、OUTPUT ON、POWER OFF）

外部デジタル制御

外部デジタル制御には、LANおよびUSBが標準装備されており、オプションのアダプタを使用することで、GP-IBおよびRS-232Cにも対応可能です。
接続の例はこちら（https://www.texio.co.jp/wp-content/uploads/2023/03/22_PSW_Connection.pdf）を参考にしてください。
・LANはSocket通信および、Webブラウザによるアクセスが可能です。
・USBはUSB-CDCクラスによる仮想COMポートでの通信となります。
・GP-IBはGP-IBアダプタ GUG-001を経由しての通信となります。
・RS-232CはRS-232Cアダプタ GUR-001Bを経由しての通信となります。

PSW-YSオプション

YS オプションは太陽電池アレイの出力特性をミューレートするSAS機能とY1オプションの機能をPSWに追加します。

・解放電圧
・短絡電流
・最大電力時電圧
・最大電力時電流

以上の2つの項目を設定するだけで太陽電池アレイの出力特性が設定できます。
拡張されたテストモードや通信によるPCからの設定で、時間により変化する出力特性変化もシミュレート可能で、ロギングデータを取得することができます。

PSW-YCオプション

ACラインとFG間に接続されているノイズフィルタを削除して、接地漏れ電流を減少させるオプションです。
低い漏洩電流で動作する漏電ブレーカが設置されているAC電源で使用しても、ブレーカが誤作動しにくくなります。
システム化などで大量のPSW電源を組み合わせる場合に特に有効です。PSW電源からACラインへの雑音電圧が増加するため、CE適合外となります。

PSW-Y1Aオプション

高分解能ロギング、電流・電力積算の機能を追加する工場オプションです。