国立大学東京工業大学（以下「東工大」）生命理工学院の相澤康則准教授らの研究グループは、東工大発ベンチャー株式会社Logomix（以下「Logomix」）と共同で、バイオ技術による産業フロンティア（バイオエコノミー産業）創生に対する創造性やインスピレーションを育む環境を構築するため、その第一歩として産業微生物のゲノム構築を産学連携で推進するプロジェクト（細菌ゲノムアーキテクトプロジェクト：BGAプロジェクト）を開始しました。
バイオエコノミー産業は、2030年までにOECD加盟国の全GDPの2.7％（約180兆円）の巨大市場へ成長が見込まれており、その対象は環境・化学・素材分野から、農業・食品分野、そして健康・医療分野と多様な産業基盤に変化をもたらすことが想定されています。そのような時流の中、全ゲノム合成が完了した事例は世界でも増え始めており、2010年にCreig Venter研究所によるマイコプラズマ全ゲノム合成という金字塔に続いて、英国ケンブリッジ大や韓国KAISTが昨年に大腸菌全ゲノム合成を発表、2019年11月にはSc2.0による酵母全ゲノム合成も99%完了宣言するなど、国外ではゲノム構築が次々と進行しています。
BGAプロジェクトは国際的には、酵母全ゲノム合成を進めるSc2.0、ゲノム合成技術の国際協調を進めるGP-write、中国で発足したGP-write Chinaに続く4つめの組織ですが、国内では初のゲノム構築グループとなり、また国内初の産学連携合成生物学プロジェクトとなります。BGAプロジェクトでは、第一弾として「大腸菌人工ゲノム構築」を推し進めます。大腸菌はバイオテクノロジーの黎明期から今日まで、様々な物質生産に用いられている産業微生物の代表種の一つです。この大腸菌のさらなる産業的有用を高めるべく、これまでにない新しい設計原理に基づいた大腸菌ゲノムを、東工大がすずかけ台キャンパスに今秋に新たに設置される合成生物学ファウンダリーを活用して構築します。本プロジェクトには、テクニカルアドバイザーとして、ニューヨーク大学遺伝システム研究所のJef Boeke所長（教授）を筆頭に、国内外の微生物研究の第一人者の方々にもご参画頂きます。
この先進的な取り組みに対して、産業界からは、ヤマト科学株式会社、株式会社電通、長瀬産業株式会社、株式会社みらい創造機構、株式会社日立製作所、大阪サニタリー株式会社、株式会社日立ハイテクを含む計7社が参画します。BGAプロジェクトを通して、合成生物学産業における新事業シーズの探索、バイオ・非バイオの範疇を超えた様々な産業セクター間での産学連携ネットワークの構築、新バイオ産業創出に貢献する細胞ゲノム構築技術の成熟化を進めます。
＜参画企業＞（参画順）
・ヤマト科学株式会社（本社：東京都中央区）
・株式会社電通（本社：東京都港区）
・長瀬産業株式会社（本社：東京都中央区）
・株式会社みらい創造機構（本社：東京都渋谷区）
・株式会社日立製作所（本社：東京都千代田区）
・大阪サニタリー株式会社（本社：大阪府摂津市）
・株式会社日立ハイテク（本社：東京都港区）
Logomixについて： https://www.logomixgenomics.com/
| 本件に関するお問い合わせ先 |
BGAプロジェクト事務局（株式会社 Logomix） |
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